GoogleのAIエージェントが実験ロボットを操る

GoogleのVERIDでAIエージェントが人の監督下で実験ロボットを動かす。DeepSeekの検索API、挿し木ロボ、…

Laboratory liquid-handling robot with pipette heads over 96-well plates

AIが画面の外へ出ていきます。Googleは実験を計画して本物のラボロボットに渡すAIエージェントを発表し、DeepSeekはエージェント向けの検索APIを公開しました。オランダでは画像認識で挿し木を自動で植える機械が登場。CERNとMistralの物理AI構想、考えを全部書き出さずに推論するエージェントの論文もまとめます。

1. GoogleのAIエージェントが実験ロボットを操る

Google Researchは10月16日、VERID(VERified Infrastructure for Discovery Laboratories)を発表しました。オープンソースのPyLabRobot上に作られた、実験ステーションのリアルタイムなデジタルツインです。ロボットアーム、各ウェルの液量、試薬、残りのピペットチップを追跡します。AIエージェントはまずこのモデルで手順を試し、装置にできない命令は安全チェックで止められます。

イメージ
イメージ:分注ロボット(VERIDではありません)。写真:NIAID / Wikimedia Commons(パブリックドメイン)

成果は具体的です。α-トロンビンに対するアプタマー設計では、3回の設計・試験サイクルで的中率が0%から26.0%、42.1%へ上がりました。タンパク質設計では、多くの固形がんで過剰に発現するFAPに対し、一桁ナノモルの親和性を持つ結合体が得られました。

注意点として、これは査読前の研究用試作です。設計された配列は人が承認し、手順を確認し、ロボットの実行も人が監督しています。

▶ GoogleによるVERIDの動画を元記事で見る

2. DeepSeek、AIエージェント向け検索APIを公開

DeepSeekは10月19日、SearchとFetchの2つのAPIを公開しました。AIエージェントがDeepSeek経由でウェブを検索し、ページを読み込めます。TechNodeによると料金は成功1000件あたり5元(約0.70ドル)で、失敗・空の結果・タイムアウトは課金されません。

その2日前には、モデルをV4.1 Flash-1017に更新しました。同社によると推論、コーディング、エージェント作業が向上しています。重みはMITライセンスでHugging Faceに公開。性能向上はDeepSeek自身の発表です。

3. オランダのAIロボ、挿し木を毎時最大3000本

オランダのTTA-ISOは2026年7月にCuttingPlanter 2.0を発表しました。今日のニュースではありませんが、同じ流れの例です。CuttingVisionというソフトが幅広いベルト上の挿し穂を見て、植えられるものを選びます。電動の傾斜グリッパーが一定の深さで植え、取り損ねた挿し穂はもう一度回ります。

イメージ
イメージ:トレーで発根した挿し木。写真:peganum / Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

TTA-ISOは毎時最大3000本としています。これはメーカー公称の最大値で、独立した測定ではありません。実際の速さは作物によって変わります。多くの温室では今も手作業です。

▶ CuttingPlanter 2.0の動作映像を見る(TTA-ISO) · LinkedIn

4. CERNとMistral、物理学のAIモデルを構想

CERNとフランスのAI企業Mistralは10月15日、長期的な協力に向けた意向表明に署名しました。最初の目標は「Large Physics Model」。CERNは衝突型加速器物理の初の基盤モデルと位置づけ、LHCの陽子・陽子衝突の数十億件のシミュレーションで学習させる計画です。衝突の再構成、粒子の識別、想定外の信号の検出に役立つ可能性があります。

CERNのLHCトンネル。写真
CERNのLHCトンネル。写真:Maximilien Brice, CERN / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

まだ構想段階で、稼働しているシステムではありません。同じ週にMistralは500万〜2億900万パラメータの予測モデルTimestralを公開し、最大モデルがGIFT-Eval、TIME、fev-benchで首位だとしています。これも同社の自己申告です。

5. 言葉を使わずに考えるAIエージェント

arXivのプレプリント「Hybrid Reasoning Agents」(Jiaru Zou、James Zouら)は、エージェントに隠れた内部表現で推論させ、行動だけを書き出させます。著者らは出力トークンが35.5〜54.7%減り、推論が1.8〜2.6倍速くなったと報告しています。10月19日のHacker Newsで特に話題になった論文の一つです。

数字は著者の報告で、査読はまだです。それでも、安く速いエージェントは上で紹介したロボットやラボを実用的にする鍵になります。

今日のHacker Newsから

Linux 7.3がリリースされました。3021人の開発者による1万8765件のコミットという記録的なリリースです。Construction Physicsはロボットを訓練するのに本当に必要なものを考察。3Blue1Brownは、今ほど数学を学ぶのに良い時代はないと語ります。

出典

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です